制限行為能力者とは、一般的に判断が不十分であるであろう者の事を言います。
制限行為能力者は、保護人をつけて判断能力が不足している部分を補わせる制限行為能力者制度があります。
成年被後見人
成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるものをいい、家庭裁判所より後見開始の審判を受けたものを言います。
重度の精神障害者や認知症患者等です。
成年後見人
成年後見人は、成年被後見人の家庭裁判所より後見開始の裁判をする際に、職権で選任されます。
成年後見人の役割は、成年被後見人の財産を管理し、その財産に関する倹約とを成年被後見人にかわって行うことをいいます。
居住用の建物または敷地を売却・賃貸・抵当権設定をする場合は、家庭裁判所の許可が必要です。
成年被後見人が行った契約は、成年後見人が取消すことができます。
ただし、日用品の購入その他の日常生活に関する行為は取り消すことができません。
被保佐人
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者をいい、家庭裁判所により補佐開始の審判を受けたものいいます。成年被後見人より、軽度の障害です。
一定の重要な契約を結ぶ場合は、保佐人の同意または家庭裁判所の許可が必要です。
日用品の購入その他の日常生活に関する行為の同意は不要です。
被保佐人が勝手に行った行為については、被保佐人や保佐人が取り消すことができます。
被補助人
被補助人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者をいい、家庭裁判所により補助開始の審判を受けたものいいます。被保佐人より、軽度の障害です。
補助開始をする場合は、本人の同意が必要です。
被補助人が、同意なしに同意が必要な行為を行った場合、補助人や被補助人が取り消すことができます。
未成年者
未成年者とは、20歳未満の者をいいます。ただし、婚姻した場合は成年者と同様の扱いを受けることができます。
未成年者が契約するには、法定代理人の同意を得なければなりません。
- 単に権利を得または義務を免れる法律行為
- 処分を許された財産の処分行為
- 法定代理人が許した特定の営業に関する行為
この3つの行為を行う場合は、法定代理人の同意は不要です。
法定代理人の同意なしに同意を得なければならない行為を行った契約は取り消すことができます。
制限行為能力者と契約した相手方の保護
制限行為能力者と契約をしても、いつ取り消されるかわからないのでどう保護するかが問題になります。
相手方は、1カ月以上の期間を定めて追認するか否かを催告する子tができます。
追認した場合は、取り消すことができなくなります。
返答がなかった場合は、追認したものとみなされます。
制限行為能力者とが嘘をついていた場合は、制限行為能力を理由に契約を取り消すことができません。
まとめ
保護人 | 要件 | 能力範囲 | |
成年被後見人 | 成年後見人 | 常況 | すべての行為ができない |
被保佐人 | 保佐人 | 著しく不十分 | 一定の財産行為以外の行為 |
被補助人 | 補助人 | 不十分 | 同意見付与の単独行為 |
未成年者 | 法定代理人 | 20歳未満 | 特定の行為以外できない |
ただし、日用品の購入その他の日常生活に関する行為はできる。
成年被後見人>被保佐人>被補助人 障害が重い順